閉院には保健所や地方厚生局への届出、医療機器や在庫の整理、原状回復など、多くの手続きとコストが伴います。届出の期限、退出コストを回収に変える機器売却、最後の診療報酬入金までの資金繰りまでを段取りよく解説します。
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賞与や納税が重なる月。医療機器や電子カルテの更新。建物の改修や移転。 開業した直後や、事業を承継した直後も、支出が先に出ていきます。 クリニックから三百床規模の病院まで、診療科を問わずご相談いただけます。 必要な月に、必要な月数だけ。使い続ける必要はありません。
この記事でわかること
- 閉院で必要になる主な届出と、その期限
- 閉院にかかるコストと、退出コストを回収に変える考え方
- 最後の診療報酬が入金されるまでの資金繰りの注意点
高齢による引退、後継者の不在、事業の再編など、さまざまな理由で医療機関の閉院を検討する場面があります。閉院は「診療をやめる」だけでは終わりません。多くの届出と、まとまったコストが伴います。
段取りを誤ると、余計な費用がかかったり、手続きが遅れて罰則の対象になったりすることもあります。この記事では、閉院の全体像を、手続き・コスト・資金繰りの3つの視点から整理します。
閉院で必要になる主な届出と期限
閉院にあたっては、複数の役所への届出が必要です。とくに期限のあるものは、早めに準備しておく必要があります。
保健所への廃止届
診療所・歯科診療所を廃止したときは、廃止した日から10日以内に、管轄の保健所へ廃止届を提出します。開設時に交付された開設許可証の添付を求められることが一般的です。エックス線装置を設置している場合は、診療用エックス線装置廃止届もあわせて必要になります。
地方厚生局への保険医療機関廃止の届出
保険診療を行っている医療機関は、保険医療機関の指定を受けています。閉院する場合は、管轄の地方厚生局へ保険医療機関廃止の届出を行います。保健所への届出とは別の手続きなので、両方を忘れずに進める必要があります。
そのほかの届出
このほか、麻薬施用者の免許、生活保護法などの指定、医療法人であれば解散に関する手続きなど、医療機関の形態や取り扱いによって必要な届出が変わります。管轄の役所や顧問の専門家に、自院に必要な手続きの一覧を早めに確認しておくことをおすすめします。
閉院にかかる主なコスト
閉院には、診療をやめた後も次のような費用が発生します。
- 原状回復費用:賃貸物件の場合、契約に基づいて内装や設備を元に戻す費用がかかります。医療機関は給排水や電気の特殊工事が多く、原状回復費が高額になりやすい傾向があります。
- 医療機器・什器の処分費用:廃棄する場合、産業廃棄物としての処分費用がかかります。とくに大型機器や特殊な機器は、処分費が高くつくことがあります。
- スタッフの退職に伴う費用:解雇予告手当や、就業規則によっては退職金が発生します。
- 在庫(医薬品・材料)の整理:使い切れない在庫の扱いを決める必要があります。
- 各種契約の解約:リース、保守契約、システム、通信などの解約金が生じる場合があります。
これらは「診療収入がなくなった後」に出ていく支出です。閉院を決めたら、いつ・いくら必要になるかを一覧にしておくことが大切です。
退出コストを「回収」に変える:医療機器の売却
閉院コストの中でも、医療機器は「処分費用がかかるもの」から「資金を回収できるもの」へと発想を変えられる項目です。
まだ動く機器を廃棄すると処分費用がかかりますが、売却できれば、その分を資金として回収できます。CTや超音波診断装置、内視鏡、歯科用ユニットなど、需要のある機器は中古市場で値がつくことがあります。
複数台をまとめて手放す閉院の場面では、単純な廃棄ではなく、複数の売却先を比較して回収額を高める視点が有効です。医療機器に特化した中古売買プラットフォーム(同グループの「メディオク」 https://medioc.net/ など)では、オークション形式や定額販売で、閉院時の機器整理をまとめて進められます。
機器の詳しい売却の考え方は、不要な医療機器の資金化の記事でも解説しています。売却で得た資金を、原状回復費やスタッフへの支払いに充てることで、閉院の資金負担を軽くできます。
最後の診療報酬が入金されるまでの資金繰り
閉院で見落とされやすいのが、「最後の診療報酬が入金されるまでの空白」です。
保険診療の報酬は、診療を行ってから実際に入金されるまで約2ヶ月かかります。つまり、診療を終えた後も、最後の2ヶ月分の診療報酬は、閉院してからしばらく経ってから入金されます。
一方で、原状回復費・処分費・スタッフへの支払いといった閉院コストは、閉院の前後にまとまって発生します。「支出は先、最後の入金は後」という構造になりやすいのです。
この空白を埋める方法のひとつが、確定した診療報酬債権の早期資金化です。当社の診療報酬債権の買取は、まだ入金されていない保険請求分を最短3営業日で資金化するもので、借入ではなく債権の売買契約です。閉院に伴う支出のピークと、最後の入金までのズレを埋めるのに使えます。
閉院の資金計画については資金調達シミュレーターで受取額の目安を試算のうえ、お問い合わせからご相談ください。
閉院ではなく承継という選択肢
なお、閉院を検討する前に、「第三者への承継(M&A)」という選択肢も一度検討する価値があります。
閉院には原状回復や処分のコストがかかりますが、承継であれば、設備や患者さんを引き継いでもらうことで、これらのコストを抑えつつ、事業の価値を対価として受け取れる可能性があります。
当社グループには、医療機関のM&A・事業承継を専門に扱うサービス(ma-med.net)があります。承継の相談と、承継前後の資金の相談を同じ窓口で進められます。詳しくは医療法人のM&A・事業承継の記事をご覧ください。
まとめ
- 閉院では、廃止から10日以内の保健所への廃止届、地方厚生局への保険医療機関廃止の届出など、複数の手続きが必要です
- 原状回復・機器の処分・スタッフへの支払いなど、診療収入がなくなった後にコストが発生します
- 医療機器は、廃棄ではなく売却することで、退出コストを回収に変えられます
- 最後の診療報酬の入金は閉院後になるため、「支出は先、入金は後」の空白に備える必要があります
- 閉院の前に、第三者への承継という選択肢も検討する価値があります
段取りよく進めれば、閉院の負担は軽くできます。資金面のご相談はお問い合わせから承ります。ご相談・お見積りは無料です(ご利用には審査があります)。
よくある質問
Q. 廃止届を出し忘れるとどうなりますか。
A. 医療法などにもとづく届出には期限があり、怠ると指導や罰則の対象になることがあります。廃止から10日以内など、届出ごとに期限が定められているため、閉院の日程が決まったら早めに管轄の役所へ確認してください。
Q. 閉院前に医療機器を売っても問題ありませんか。
A. 診療に使い終えた機器であれば、閉院前に売却を進めても問題ありません。むしろ、動く状態のうちに売却したほうが高く売れやすく、処分費用も抑えられます。ただし、閉院日まで使用する機器は、診療終了後に引き渡す段取りにしておく必要があります。
Q. 最後の診療報酬の入金を待たずに、閉院コストを払えますか。
A. 確定した診療報酬債権を早期に資金化することで、入金を待たずに資金を確保できます。当社の買取は借入ではなく債権の売買のため、決算書上の借入金を増やしません。閉院前後の支出の集中に備える手段としてご利用いただけます。
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