債権譲渡登記は、法人が金銭債権を譲渡したことを第三者に主張するための制度です。登録免許税は7,500円、存続期間は原則50年。医療機関の診療報酬ファクタリングで登記が必要になる場合とならない場合を、法務省の情報をもとに整理しました。
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診療報酬は、支払基金と国保連から、およそ二ヶ月後に支払われます。 当社は、その請求債権を医療機関さまから買い取ります。支払基金と国保連には、連名で譲渡の通知を行います。制度上、通常の手続きです。 患者さまや、お取引先に通知が行くことはありません。 担保も、保証人も不要。借入ではなく、債権の売買契約です。
ファクタリングを調べていると「債権譲渡登記が必要」「登記留保」といった言葉が出てきます。登記をすると法人の登記事項に記録が残るのか、取引先に知られるのか、という点を心配される方が多いようです。
この記事では、債権譲渡登記がどういう制度なのかを法務省の情報をもとに整理し、医療機関の診療報酬ファクタリングで必要になるのかを説明します。
この記事でわかること
- 債権譲渡登記とは何のための制度か
- 費用と存続期間はどうなっているか
- 医療機関の診療報酬ファクタリングで登記は必要か
債権譲渡登記とは:第三者に「この債権は自分のものだ」と示すための制度
法務省の説明では、こう定義されています。
会社などの法人がする金銭債権の譲渡などについては、その内容を債権譲渡登記所に登記することにより、債務者以外の第三者に自己の権利を主張することができます。
かんたんに言うと、「この債権は私が買いました」と、当事者以外の人にも主張できるようにする手続きです。
なぜこれが必要かというと、債権は目に見えないため、同じ債権が二重に譲渡されるおそれがあるからです。そこで、登記という公の記録に残すことで、先に登記したほうが優先される、という順番をはっきりさせています。
これは民法の特例として設けられた制度で、債務者が多数いる場合でも簡易に第三者対抗要件を備えられるようにしたものです。
費用と存続期間
法務省が公表している内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録免許税 | 債権の個数が5,000個以下:7,500円/5,000個超:15,000円(租税特別措置法により軽減された額) |
| 存続期間 | 債務者が特定している場合:登記の日から50年/債務者が不特定の場合:10年 |
| 申請方法 | 窓口への持参、郵送、オンライン申請 |
| 申請先 | 債権譲渡登記所(東京法務局 民事行政部 債権登録課) |
50年または10年を超える期間を設定する場合は、その期間設定の正当性を証する書面の添付が必要とされています。
申請先は全国どこの法務局でもよいわけではなく、債権譲渡登記所に集約されています。 東京法務局の債権登録課(東京都中野区)が取り扱っています。
なお、上の登録免許税は登記そのものにかかる税金です。司法書士に手続きを依頼する場合は、別途その報酬がかかります。
「登記されると取引先に知られる」のか
ここが一番気にされる点だと思います。
債権譲渡登記の記録は、無条件に公開されているわけではありません。ただし、登記事項の概要を記録したファイルが法人の商業登記簿と関連づけられる仕組みがあり、一定の手続きを踏めば第三者が概要を確認できる場合があります。
つまり、「絶対に誰にも分からない」とは言えません。金融機関が与信の判断で確認することもあります。
登記をするかどうかは、この点も含めて事前に確認しておくべき事項です。
医療機関の診療報酬ファクタリングでは、登記は必要か
結論から言うと、当社のサービスでは通常、債権譲渡登記を行いません。
理由は、診療報酬債権の場合、債務者が支払基金と国保連の2者に特定されているからです。
債権譲渡登記は「債務者が多数いて、一人ひとりに通知するのが現実的でない」場合に威力を発揮する制度です。一般企業が数百社に対する売掛金をまとめて譲渡するような場面がこれにあたります。
一方、診療報酬債権の債務者は支払基金と国保連だけです。この2者に直接通知すれば、それで対抗要件が備わります。 わざわざ登記をする必要がありません。
当社は債権譲渡通知(確定日付付きの内容証明郵便)を医療機関さまと連名で送付する方式を基本としています。これが3者間方式です。
登記が出てくるのは、どういう場合か
一般のファクタリングで登記が話題になるのは、多くの場合2社間ファクタリングの文脈です。
2社間では、債務者(売掛先)に知られたくないという理由で通知をしません。しかし通知をしないと第三者に対抗できないため、代わりに登記で対抗要件を備える、という組み立てになります。
医療機関の場合、そもそも支払基金・国保連への通知は制度上の通常の手続きであり、患者さまやお取引先に通知が行くことはありません。隠す必要がないので、2社間を選ぶ理由が乏しく、結果として登記も不要になります。
2社間と3社間の違いは別の記事で詳しく説明しています。
契約前に確認しておきたいこと
他社を含めて検討される場合、次の点を書面で確認されることをおすすめします。
- 債権譲渡登記を行うのか、行わないのか
- 行う場合、登録免許税と司法書士報酬を誰が負担するのか
- 「登記留保」とされている場合、どういう条件で登記されるのか(支払いが遅れた場合など)
- 契約終了後、登記を抹消する手続きと費用の負担はどうなるか
「登記留保」は、契約時には登記せず、一定の事情が生じたときに登記する、という取り決めです。どういうときに登記されるのかが契約書に明記されているかを確認してください。
当社は登記を行わない前提ですが、契約書・見積書・通知書の案はご契約前にすべてお見せします。顧問弁護士や税理士にご確認いただいたうえでご判断ください。
まとめ
- 債権譲渡登記は、法人が金銭債権を譲渡したことを債務者以外の第三者に主張するための制度です
- 登録免許税は7,500円(債権5,000個超なら15,000円)、存続期間は債務者が特定していれば50年、不特定なら10年
- 申請先は債権譲渡登記所(東京法務局 債権登録課)に集約されています
- 診療報酬債権は債務者が支払基金・国保連の2者に特定されているため、通知だけで対抗要件が備わり、登記は通常不要です
- 他社を検討される場合は、登記の有無・費用負担・登記留保の条件・抹消手続きを書面で確認してください
当社の手続きについてはご利用の流れをご覧ください。契約内容についてのご質問はお問い合わせから承ります。ご相談・お見積りは無料です(ご利用には審査があります)。
よくある質問
Q. 債権譲渡登記をすると、医療法人の登記簿に載りますか?
A. 債権譲渡登記は商業登記簿とは別のファイルに記録されます。ただし登記事項の概要が法人の商業登記と関連づけられる仕組みがあり、一定の手続きを踏めば第三者が概要を確認できる場合があります。「誰にも分からない」とは言えないため、登記の有無は事前に確認すべき事項です。
Q. 当社(Central Medience Payments)は登記をしますか?
A. 通常は行いません。支払基金・国保連への債権譲渡通知(確定日付付きの内容証明郵便)を、医療機関さまと連名で送付する方式を基本としています。診療報酬債権は債務者が2者に特定されているため、通知で対抗要件が備わります。
Q. 登記の費用は誰が負担するのですか?
A. 契約条件によります。当社は登記を行わないため、この費用は発生しません。他社をご検討の場合は、登録免許税(7,500円〜)と司法書士報酬の負担者を見積書で確認してください。
Q. 「登記留保」と言われました。どう考えればよいですか?
A. 契約時には登記せず、一定の事情が生じたときに登記するという取り決めです。どういう条件で登記されるのかが契約書に明記されているかを必ず確認してください。条項が曖昧な場合は、書面で説明を求めることをおすすめします。当社は他社のお見積りや契約書についても、一緒に内容を確認するご相談を承っています。
登記が必要かどうか、条件をお示しします
当社は支払基金・国保連への通知を基本としており、通常は債権譲渡登記を行いません。ご不安な点があれば、契約書の条項をお見せしたうえでご説明します。

