クリニックや医療法人の事業承継・M&Aの直後は、診療報酬の入金が途切れる、退職金や支払いが重なるなど資金が薄くなりがちです。よくある落とし穴と、早めに打てる対策をやさしく解説します。
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賞与や納税が重なる月。医療機器や電子カルテの更新。建物の改修や移転。 開業した直後や、事業を承継した直後も、支出が先に出ていきます。 クリニックから三百床規模の病院まで、診療科を問わずご相談いただけます。 必要な月に、必要な月数だけ。使い続ける必要はありません。
この記事でわかること
- 事業承継・M&Aの直後に、なぜ資金繰りが苦しくなりやすいのか(3つの落とし穴)
- 承継の形(個人→個人、個人→法人、法人の引き継ぎ)で、診療報酬の入金がどう変わるか
- 承継前から準備しておきたいことと、診療報酬債権の売却を「つなぎ」として使う考え方
承継直後は「お金が出る時期」と「入る時期」がずれやすい
結論から言うと、事業承継やM&Aの直後に資金繰りが苦しくなる一番の理由は、「支払いは引き継いだ日から始まるのに、診療報酬の入金は2ヶ月遅れてやってくる」からです。
事業承継とは、かんたんに言うと「クリニックや医療法人の経営を、次の人(親族・勤務医・別の法人など)に引き継ぐこと」です。M&Aは、その中でも第三者に譲り渡す形を指すことが多い言葉です。
新しい経営者は、引き継いだその月からスタッフの給与・家賃・医薬品の仕入れ代金を払います。ところが診療報酬は、診療月の翌月10日までにレセプトを請求し、支払基金からは翌々月20日前後に入金されます(国保連は都道府県により異なります)。新体制で最初に診療したぶんの入金は、およそ2ヶ月先です。
引っ越しした月に「前の家の家賃の精算」と「新しい家の敷金・家賃」が重なる感覚に近いかもしれません。出ていくお金が先に来て、入るお金があとからになります。
承継直後に起きやすい3つの落とし穴
落とし穴1:診療報酬の入金が「空白」になる
承継の形によって、診療報酬の流れは変わります。
| 承継の形 | 保険医療機関の指定 | 旧経営者時代の診療報酬 | 新体制の最初の入金 |
|---|---|---|---|
| 個人→個人(開設者が変わる) | 新たに指定を受ける手続きが必要になることが多い | 旧開設者に入金 | 指定後の診療月から約2ヶ月後 |
| 個人→医療法人 | 法人として新たに指定 | 旧開設者(個人)に入金 | 法人としての診療月から約2ヶ月後 |
| 医療法人のまま理事長・出資者が交代 | 原則そのまま | 法人に入金(継続) | 入金サイクルは途切れにくい |
個人開設のクリニックを引き継ぐ場合、「開設者が変わる=保険医療機関として新しく指定を受ける」ことになるケースが多く、その間の診療報酬は旧開設者に入り、新開設者には約2ヶ月間、保険診療の入金がない状態が起きます。ここをどう埋めるかが、最初の関門です。
落とし穴2:承継ならではの支払いが一度に重なる
承継の前後には、ふだんは発生しない支払いが集まりやすくなります。
- 譲渡代金(営業権や設備の買い取り代金)の支払い、またはそのための借入の返済開始
- 前経営者やスタッフへの退職金、引き継ぎにともなう賞与
- 古い設備や電子カルテの入れ替え、内装の手直し
- 旧経営者時代の未払金やリース契約の引き継ぎ
- 医療法人の場合、登記・定款変更・各種届出にかかる費用
ひとつひとつは計画していても、同じ2〜3ヶ月に集中すると、予想以上に手元のお金が薄くなります。
落とし穴3:患者さんの「様子見」で収入が一時的に下がる
院長が変わると、一部の患者さんが「新しい先生はどうだろう」と様子を見て、来院が一時的に減ることがあります。承継前の売上をそのまま前提にして資金計画を立てると、入金が想定より少なくなり、ギャップが広がります。新体制への移行期は、売上を少し控えめに見積もっておくほうが安全です。
承継後に手元へいくら入るのかは、月間の保険請求額と買取月数で決まります。資金調達シミュレーターで概算を出したうえで、ご利用条件・手数料をご確認ください。
対策:承継前にできること、直後にできること
承継前(できれば数ヶ月前から)
- 承継の形ごとの「最初の入金日」をカレンダーに書き出し、その日までに必要な支払いの合計を出す。
- 譲渡代金の支払い時期と、退職金・賞与の支給時期をずらせないか検討する。
- 医療法人の場合、債権の売却や借入に理事会(場合により社員総会)の決議が必要かどうか、定款を確認しておく。
承継直後(入金の空白を埋める)
選択肢のひとつが、診療報酬債権の売却です。かんたんに言うと「新体制で請求した診療報酬を、当社が先に買い取ってお支払いする」方法です。当社は貸金業者ではなく、本サービスは債権の売買契約です。償還請求権なし(ノンリコース)・買戻し義務なし、担保・保証人も不要です。審査はあり、保険医療機関の指定確認とレセプト請求実績を中心に確認します。
承継直後は新体制での請求実績が少ないため、引き継ぎ前の請求実績や診療体制もふまえて個別に検討します。請求実績を重視するため、決算が赤字でも、承継したばかりでもご相談いただけます。条件の目安は手数料3%〜(条件により変動、お見積りで明示)、掛け目90%程度、買取は最大6ヶ月分、ご契約後最短3営業日で入金(初回は審査・通知手続きで時間を要する場合あり)です。詳しくはサービスの仕組みをご覧ください。
参考事例
※想定事例です。実在の医療機関の事例ではありません。
E耳鼻咽喉科クリニック(医療法人・想定)の背景
先代の院長が引退し、勤務医だった先生が医療法人の理事長として引き継ぎました。法人はそのまま続くため保険医療機関の指定は継続しましたが、承継月に先代への退職金、引き継ぎ賞与、電子カルテの入れ替えが重なりました。月の保険請求額は約1,200万円です。
やったこと
承継の2ヶ月前に当社へ相談。定款を確認し、理事会で債権譲渡の決議を行って議事録を用意しました。承継直後に、直近3ヶ月分の診療報酬債権を売却することにしました。
数字(目安)
- 売却する請求額: 1,200万円 × 3ヶ月 = 3,600万円
- 前払い(掛け目90%として): 3,600万円 × 90% = 3,240万円
- 手数料(仮に3%として): 3,600万円 × 3% = 108万円
- 支払機関からの入金後に精算される残金: 3,600万円 − 3,240万円 − 108万円 = 252万円
結果
退職金と賞与の支給日の前に3,240万円が入り、電子カルテの入れ替え費用も借入を増やさずに用意できました。数ヶ月後、患者数が承継前の水準に戻ったところで売却する月数を減らし、通常の入金サイクルに戻していく計画を立てています。実際の掛け目・手数料・日数は審査により個別に決まります。
※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。
まとめ
- 承継・M&Aの直後は、「支払いは今月から、診療報酬の入金は約2ヶ月後」というずれが起きやすく、開設者が変わる場合は入金の空白期間が生まれます。
- 退職金・賞与・設備更新・譲渡代金の支払いが重なりやすく、患者数の一時的な減少も見込んでおく必要があります。
- 承継前から「最初の入金日」と必要資金を書き出し、空白期間のつなぎとして診療報酬債権の売却を選択肢に入れておくと安心です。
当社は医療経営支援グループとして、M&A・承継の支援から資金の相談まで一気通貫で対応しています。まずはお問い合わせからご相談ください。
よくある質問
Q. 承継したばかりで、新体制のレセプト請求実績がまだありません。相談できますか?
はい。新体制での請求が始まってからの買取が基本ですが、引き継ぎ前の請求実績や診療体制もふまえて個別に検討します。承継の予定が決まった段階で早めにご相談いただくと、準備がスムーズです。
Q. 医療法人の理事長交代で、何か特別な手続きは必要ですか?
債権の売却にあたり、定款・規模に応じて理事会(場合により社員総会)の議事録をお願いすることがあります。必要書類はご利用の流れにまとめていますので、承継前に確認しておくと安心です。
Q. 譲渡代金のために借入をしています。併用できますか?
ご相談いただけます。診療報酬債権の売却は借入ではないため、既存の借入とは別に使えます。ただし、診療報酬債権がすでに担保に入っている場合は事前の確認が必要です。
診療報酬債権の買取について、無料でご相談いただけます
手数料3%〜・掛け目90%程度・最短3営業日。いくら、いつ受け取れるかを具体的にお見積りします(審査あり)。

