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医療機関の賃上げと診療報酬|ベースアップ評価料の仕組み

医療機関の賃上げを後押しするベースアップ評価料の仕組みや対象職種、経営・資金繰りへの影響をわかりやすく解説します。

経営監修:Central Medience Payments 編集部
医療機関の賃上げと診療報酬|ベースアップ評価料の仕組み

医療機関の賃上げを後押しするベースアップ評価料の仕組みや対象職種、経営・資金繰りへの影響をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • ベースアップ評価料の基本的な仕組みと対象となる職種
  • 賃上げの実施に伴って生じやすい一時的な資金繰りの課題
  • 入金までのタイムラグを補うための診療報酬債権の活用法

ベースアップ評価料とは何か

ベースアップ評価料は医療従事者の処遇改善を目的として導入された診療報酬の項目です。

ベースアップとは、かんたんに言うと「基本給そのものを底上げして増額すること」を指します。

物価の高騰や他産業での賃上げが進むなかで、医療分野でも人材確保が深刻な課題となっています。

厚生労働省の資料によると、医療従事者の賃上げを確実に行うための原資として本評価料が創設されました。

医療機関が受け取った評価料の収入は、全額を対象職員の賃金改善に充てることが定められています。

手元の利益を増やすための加算ではなく、職員へ還元するための特別な点数設計となっています。

算定を行った医療機関は、実際に賃上げを行った実績を報告書として提出する義務があります。

ベースアップ評価料の区分と対象職種

ベースアップ評価料には、外来向けや入院向けなど医療機関の形態に応じた区分が存在します。

厚生労働省の規定によると、無床診療所や外来中心の施設では「外来・在宅ベースアップ評価料」を算定します。

これには初診や再診時に定額を算定する区分と、賃金改善の原資が不足する場合の区分があります。

入院病床を持つ病院や有床診療所では、入院基本料等に上乗せする「入院ベースアップ評価料」を選びます。

評価料の対象となる職種は、看護職員や薬剤師、臨床検査技師や診療放射線技師など多岐にわたります。

理学療法士や管理栄養士に加えて、医療機関で働く事務職員なども賃金改善の対象に含まれます。

ただし、厚生労働省の基準に基づき、役員である医師や一部の管理職は算定対象から除外されます。

どの職種をどの程度引き上げるかについては、自院の給与規程を見直しながら計画を立てる必要があります。

賃上げが医療機関の資金繰りに与える影響

ベースアップ評価料の算定によって、医療機関の資金繰りには一時的な負担が生じることがあります。

最大の要因は、職員への給与支払いのタイミングと診療報酬の入金時期にズレがある点です。

給与の引き上げを実施すると、当月または翌月の支給日から直ちに人件費の支出が増加します。

しかし、診療報酬は社会保険診療報酬支払基金などに請求してから入金まで約2ヶ月を要します。

そのため、賃上げを開始してから診療報酬が入金されるまでの間、手元資金が先行して減少します。

さらに、基本給が上がると事業主が負担する社会保険料や時間外手当の単価も同時に増加します。

厚生労働省の規定通りに評価料を全額賃金に還元すると、社会保険料の増加分が資金を圧迫しがちです。

賃上げの計画を立てる際は、単に点数を計算するだけでなく手元資金の推移を予測することが重要です。

賃上げに伴う資金ギャップを埋める選択肢

人件費の先行支出によって手元の資金が薄くなる時期には、早めの手当てが必要となります。

手元資金の不足を補う手段としては、金融機関からの融資を受ける方法が広く知られています。

ただし、金融機関の融資は相談から実行までに一定の期間を要することが珍しくありません。

迅速に資金ギャップを解消したい場合の選択肢として、診療報酬債権の買取サービスがあります。

診療報酬債権とは、かんたんに言うと「保険診療の対価として後から受け取る代金の請求権」です。

すでに診療を終えて請求した確定債権を専門会社に売却することで、入金期日前に資金化できます。

当社のサービスは債権の売買(譲渡)契約であり、金融機関のような借入ではありません。

担保や保証人は不要であり、将来的な返済義務が発生しないため、財務の健全性を維持できます。

詳しい手数料の仕組みについては手数料・買取基準のご案内で詳しく説明しています。

まずは自院の請求額でどの程度資金化できるかを把握することが、無理のない資金管理につながります。

参考事例

ベースアップ評価料の算定に合わせて診療報酬債権の買取を利用したクリニックの事例を紹介します。

※想定事例であり、実在の医療機関の事例ではありません。

背景

無床診療所であるAクリニックは、看護師と医療事務スタッフの定着を図るため賃上げを決めました。

厚生労働省の基準に従い「外来・在宅ベースアップ評価料」を算定する届出を提出しました。

しかし、基本給の引き上げに伴い、毎月の給料日における現金支出が想定以上に増加しました。

診療報酬の入金まで約2ヶ月のタイムラグがあるため、手元の運転資金に不安が生じました。

そこで一時的な資金繰りの安定化を図るため、翌月入金予定の診療報酬債権の売却を検討しました。

やったこと

Aクリニックは、支払基金等へ請求済みの診療報酬債権1,000万円の買取を当社へ申し込みました。

当社の条件は、手数料3%〜(条件により変動・見積りで明示)、掛け目90%程度となっております。

審査を経て契約が成立し、掛け目に基づいた前払い代金が最短3営業日で口座に振り込まれました。

支払基金等への債権譲渡通知は行われますが、患者さんや取引先に通知が届くことはありません。

数字

本事例における具体的な計算式と資金の内訳は以下のとおりです。

  • 債権額:1,000万円
  • 前払い(90%):1,000万円 × 90% = 900万円(最短3営業日で受取)
  • 買取手数料(3%):1,000万円 × 3% = 30万円(消費税非課税)
  • 残金:1,000万円 − 900万円 − 30万円 = 70万円(支払基金からの入金後に受取)
  • 受取合計:1,000万円 × 97% = 970万円

当社の買取手数料は消費税非課税であり、余計な諸費用が見積もりから変動することはありません。

結果

Aクリニックは最短3営業日で900万円の手元資金を確保し、スタッフへの給与を支払えました。

後日、支払基金から当社への決済が完了した段階で、残金の70万円も問題なく受領しました。

事前の資金調達によって、賃上げ初期に発生した一時的な資金ギャップを円滑に乗り切れました。

資金シミュレーションを試したい方はオンライン無料診断をご活用いただけます。

※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。

ベースアップ評価料の届出と運用の注意点

ベースアップ評価料の算定にあたっては、地方厚生局への事前の届出が求められます。

厚生労働省の専用様式を用いて、対象職員の月額給与や賃金改善計画を記入して提出します。

算定を開始した後は、得られた診療報酬の全額を基本給や手当の改善に配分しなければなりません。

設備の購入や別用途へ流用することは禁止されており、厳密な会計区分が求められます。

毎年8月には、前年度における賃金改善の状況を記した実績報告書を厚生局へ提出します。

改善額が評価料の総額に達しなかった場合は、差額の調整や返還などの対応が生じる場合もあります。

給与体系の変更は元に戻すことが難しいため、長期的な収支計画を立てた上で運用することが肝要です。

よくある質問

Q. ベースアップ評価料の算定で増えた収入は自由に使えますか?

いいえ、得られた評価料の収入はすべて対象職員の賃金改善に充当する義務があります。

厚生労働省の通知により、医療機関の利益として残したり他用途に使ったりすることはできません。

Q. 診療報酬債権の買取は借入金と何が違うのですか?

当社サービスは債権の売買(譲渡)であり、融資や借入金とは法的な性質が全く異なります。

将来の分割返済や利息の支払いは発生せず、貸借対照表の負債を増やすこともありません。

また、償還請求権なしの契約ですので、万が一の回収不能時に買戻しを求められる心配もありません。

償還請求権なしとは、かんたんに言うと「請求先が倒産等しても医療機関が弁償しなくてよい契約」です。

Q. 債権の買取手続きを行うと患者さんや取引先に知られますか?

患者さんや医療機器ディーラーなどの取引先に売買の事実が知らされることはありません。

当社では、支払基金や国保連に対して法令に則った債権譲渡通知を行う3者間方式を採用しています。

公的な請求機関との間で手続きが完了するため、日々の診療業務に支障を与えることはありません。

Q. どの医療機関でも債権の買取を利用できますか?

対象は病院・クリニック・歯科医院となります(調剤薬局・介護事業所は個別にご相談となります)。

審査はございますが、直近の赤字だけで判断せず、事業の実態に応じて柔軟に審査を実施いたします。

上限は保険請求額の最大6ヶ月分まで対応可能で、最短3営業日での資金化が可能です。

資金繰りの見直しやご相談をご希望の方はお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡ください。

まとめ

ベースアップ評価料は、医療スタッフの処遇を改善して離職を防ぐための重要な制度です。

しかし、診療報酬の入金までに生じるタイムラグによって、初期の資金繰りが圧迫されやすくなります。

賃上げによる人件費の先行負担を乗り切るためには、計画的な資金準備が欠かせません。

金融機関からの借入だけでなく、確定した診療報酬債権の売却という選択肢も有効です。

負債を増やさずに迅速な資金確保を行いたい場合は、自院の経営状況に合わせて活用を検討しましょう。

診療報酬債権の買取について、無料でご相談いただけます

手数料3%〜・掛け目90%程度・最短3営業日。いくら、いつ受け取れるかを具体的にお見積りします(審査あり)。

無料相談・お見積りシミュレーターお電話(平日 10:00-18:00)03-5544-9120サービス資料(PDF)
Central Medience Payments 編集部株式会社Central Medience(医療経営支援グループ)のファイナンス事業部が、医療機関の資金繰り・診療報酬債権の実務について解説しています。記事内容は公開時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務判断は専門家にご確認ください。
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