6月・12月の賞与、3月・7月・11月の納税など、医療機関には「お金が集中して出ていく月」があります。年間カレンダーで山を見える化し、備える方法と診療報酬債権の売却の使い方を、やさしく解説します。
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賞与や納税が重なる月。医療機器や電子カルテの更新。建物の改修や移転。 開業した直後や、事業を承継した直後も、支出が先に出ていきます。 クリニックから三百床規模の病院まで、診療科を問わずご相談いただけます。 必要な月に、必要な月数だけ。使い続ける必要はありません。
「今月は賞与と納税が重なって、口座の残高が心細い」。病院やクリニックの事務長さんから、年に何度か聞く言葉です。毎年同じ時期にやってくるのに、なぜか毎年ひやひやする。この記事では、賞与や納税のように「決まった月にまとまって出ていくお金(季節資金)」への備え方を、年間カレンダーと計算例で、やさしく整理します。
この記事でわかること
- 医療機関の「お金が集中して出ていく月」はいつか(年間カレンダー)
- 季節資金に備える3つの基本と、資金繰り表の作り方
- 足りない月に診療報酬債権の売却を使うときの計算例と注意点
医療機関の「お金が集中する月」はいつ?
季節資金とは、かんたんに言うと「毎月ではなく、決まった月にドンと出ていくお金」です。医療機関でよくあるものを、時期ごとに並べてみます。
| 時期 | 主な支出 |
|---|---|
| 3月 | 個人開業医の所得税・消費税の確定申告と納付 |
| 5〜6月 | 法人(3月決算)の法人税・消費税などの納付、労働保険の年度更新(6〜7月) |
| 6〜7月 | 夏の賞与、賞与にかかる社会保険料、源泉所得税の納期の特例分(7月) |
| 7月 | 個人開業医の所得税の予定納税(第1期) |
| 11月 | 個人開業医の所得税の予定納税(第2期)、法人の中間納付(決算月による) |
| 12月 | 冬の賞与、賞与にかかる社会保険料 |
| 1月 | 源泉所得税の納期の特例分、年末年始の休診による収入減 |
決算月や個人・法人の違いで時期は変わりますが、「6月前後」と「12月前後」に山ができる医療機関が多いです。
一方で、収入の柱である診療報酬は、診療月の翌々月20日前後に入ります(支払基金の場合。国保連は都道府県により概ね20日〜月末)。毎月ほぼ同じペースで入るため、支出の山に合わせて増えてはくれません。ここにギャップが生まれます。
なぜ毎年「分かっているのに」足りなくなるのか
季節資金は、毎年同じ時期にきます。それでも足りなくなるのは、次のような理由が多いです。
- 通常月の黒字で安心してしまう: 4月・5月が順調だと、6月の賞与分を別枠で取り分けないまま使ってしまう。
- 年末年始・ゴールデンウィークの休診: 休みの多い月は診療報酬が減り、その2ヶ月後の入金が薄くなる。12月の賞与のあと、2月の入金(12月分)が少ない、という形で効いてきます。
- 査定・返戻: 請求内容の確認で入金が減ったり遅れたりすると、予定より手元が薄くなる。
- 突発の支出と重なる: 機器の故障や修繕が、たまたま賞与月と重なる。
つまり「知らなかった」のではなく、「取り分けていなかった」「他の月の凹みと重なった」ことが原因です。
備え方の基本は3つ
1. 年間の資金繰り表を作り、山を見える化する
月ごとに「入るお金」「出るお金」「月末の残高」を1年分並べます。これだけで、どの月にいくら足りないかが見えます。診療報酬は「診療月の翌々月に入る」ことを忘れずに書き込みます。
2. 賞与・納税の分を毎月取り分ける
たとえば夏冬の賞与が合計1,200万円なら、1,200万円 ÷ 12ヶ月 = 月100万円を別の口座に移しておく、という方法です。納税分も同じように、利益の見込みから月割りで積み立てると、山が小さくなります。
3. それでも足りない月の「使える手」を事前に決めておく
積み立てが間に合わない年もあります。そのときに慌てないよう、選択肢を先に並べておきます。
- 金融機関からの短期の借入(審査に時間がかかることがある)
- 納税の分割や猶予の相談(税務署・自治体)
- 診療報酬債権の売却(2ヶ月先に入る診療報酬を先に受け取る)
診療報酬債権の売却は、かんたんに言うと「給料日前に、もう働いた分の給料を先に受け取る」イメージです。借入ではなく売買なので返済という考え方がなく、担保・保証人も不要です。当社の場合、手数料は3%〜(条件により変動。お見積りで明示)、前払いは請求額の90%程度、ご契約後最短3営業日でお支払いします(初回は審査・通知手続きのため時間をいただく場合あり)。毎月20日前後に前払いする継続利用の形にすると、給与日前の着金に間に合うよう設計できます。くわしくはご利用条件・手数料をご覧ください。
参考事例
※想定事例です。実在の医療機関の事例ではありません。
D病院(医療法人・3月決算・想定)の場合
背景: 月の保険請求額は約4,000万円。6月に夏の賞与(約2,500万円)と法人税・消費税の納付(約1,500万円)が重なります。さらにその年は5月に空調設備の修繕費(約800万円)が発生し、6月末の残高が大きくマイナスになる見込みでした。銀行の借入枠は、翌年の病棟改修のために残しておきたい事情がありました。
やったこと: 4月下旬に当社へ相談。事務長が作った年間の資金繰り表をもとに、6月の不足額を約3,500万円と見積もりました。4月分(5月10日に請求)の保険請求額4,000万円分を売却することにし、理事会の議事録を準備して、支払基金・国保連への債権譲渡通知を行いました。
数字(掛け目90%・手数料3%と仮定):
- 買取債権額: 4,000万円 × 1ヶ月分 = 4,000万円
- 前払い: 4,000万円 × 90% = 3,600万円(ご契約後、最短3営業日)
- 買取手数料: 4,000万円 × 3% = 120万円(消費税非課税)
- 残金: 4,000万円 − 3,600万円 − 120万円 = 280万円(6月20日前後の基金・国保連入金後に精算)
- 受取合計: 3,600万円 + 280万円 = 3,880万円
結果: 5月下旬に3,600万円が入金され、賞与と納税を予定どおり支払えました。4月分の診療報酬は6月20日前後に当社へ入金され、残金280万円を受け取って精算。翌年からは賞与分の月割り積み立てを始め、売却を使うのは「修繕などが重なった年だけ」にする方針にしました。銀行の借入枠は手つかずのまま、病棟改修の相談に入れました。
※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。
使うときの注意点
- 審査があります: 保険医療機関の指定確認、レセプトの請求実績、当社基準の本人確認などを行います。
- 初回は早めに: 支払基金・国保連への通知手続きがあるため、初回は相談から入金まで2〜3週間が目安です。賞与月の1ヶ月以上前にご相談いただくと安心です。
- 売却した月の入金は当社経由になる: その月の通常入金は残金精算の形になるので、資金繰り表に反映しておきましょう。
- 医療法人は議事録が必要な場合がある: 定款・規模に応じて理事会(場合により社員総会)の議事録をお願いすることがあります。
手続きの流れはご利用の流れにまとめています。
まとめ
賞与や納税は、毎年決まった月にやってくる「季節資金」です。診療報酬は毎月ほぼ一定のペースで入るため、山の月にはギャップが生まれます。備えの基本は、年間の資金繰り表で山を見える化し、毎月取り分けておくこと。それでも足りない年のために、診療報酬債権の売却のような「使える手」を事前に決めておくと、慌てずに済みます。売買なので返済という考え方がなく、担保・保証人も不要ですが、審査と手数料があります。1ヶ月以上前の相談が安心です。
よくある質問
Q. 賞与の月だけ、年2回使うことはできますか?
A. はい、1回のみのご利用も、必要な月だけのご利用も可能です。継続利用の場合も、対象月や金額は個別契約で都度決めます。年間の資金繰り表をお持ちいただければ、どの月にいくら必要かを一緒に整理します。
Q. 納税資金に使っても問題ありませんか?
A. 売却代金の使い道に制限はありません。賞与・納税・修繕など、医療機関の運営に必要な支払いにお使いいただけます。なお、納税の分割や猶予については税務署・自治体にも相談窓口があります。
Q. 相談から入金まで、どのくらい前に動けばよいですか?
A. 初回は審査と通知手続きのため、相談から入金まで2〜3週間が目安です。2回目以降は請求データをいただいてからすみやかに進みます。賞与月の1ヶ月以上前にお問い合わせいただくと、余裕をもって準備できます。
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手数料3%〜・掛け目90%程度・最短3営業日。いくら、いつ受け取れるかを具体的にお見積りします(審査あり)。

