医療機器を導入する際、購入とリースのどちらを選ぶべきか悩む院長は多いです。減価償却の仕組みや税務上の耐用年数、資金繰りへの影響を比較し、手元資金を守る設備投資の考え方を解説します。
この記事でわかること
- 医療機器の購入とリースの特徴や資金繰りへの影響の違い
- 国税庁が定める主な医療機器の法定耐用年数と減価償却の基本ルール
- 設備投資に伴う資金不足を防ぐためのキャッシュフロー管理法
医療機器の導入は購入とリースのどちらを選ぶべきか
医療機器を導入する際は手元資金の状況にあわせて選ぶことが大切です。
結論から言うと、手元資金を残したいならリース、総支払額を抑えたいなら購入が適しています。
最新の内視鏡やレントゲンなどは数百万円から数千万円の大きな費用がかかります。
自己資金で一括購入すると、院内の手元現金が一気に減少してしまいます。
手元資金が減ると、突発的な修繕や賞与の支払いに対応できなくなる危険があります。
銀行からの借入で購入する方法もありますが、審査や借入枠の消費という課題が生じます。
一方でリースは初期費用を抑えられますが、長期的には手数料分だけ総支払額が増加します。
自院の資金残高と今後の設備計画を比較しながら、慎重に方針を決める必要があります。
医療機器の減価償却の仕組みと法定耐用年数
医療機器を購入した場合は、減価償却という会計処理を行う必要があります。
減価償却とは、かんたんに言うと「機器の購入費用を使える年数に分けて経費にする方法」です。
購入した年に全額を経費にするのではなく、法律で定められた年数に分けて計上します。
この年数のことを法定耐用年数と呼び、国税庁の省令によって機器ごとに細かく決められています。
国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」によると、医療機器の耐用年数は以下の通りです。
- 手術機器:5年
- 歯科診療用ユニット:7年
- レントゲンその他の電子装置を使用する機器(その他のもの):6年
- 移動式や救急医療用、自動血液分析器:4年
- 光学検査機器(ファイバースコープ):6年
- 光学検査機器(その他のもの):8年
たとえば6年耐用年数の機器を600万円で購入した場合、数年に分けて経費化していきます。
減価償却費はお金が出ていかない経費となるため、帳簿上の利益と手元資金にズレが生じます。
医療機器をリースで導入するメリットと注意点
リースとは、かんたんに言うと「機器を長期間借りて毎月利用料を支払う仕組み」のことです。
医療現場でよく使われるファイナンス・リースには、導入時に大きな利点があります。
もっとも大きなメリットは、まとまった購入資金を用意せずに最新機器を導入できる点です。
毎月のリース料は原則として全額を経費として処理できるため、会計処理も分かりやすいです。
また、固定資産税の申告や動産総合保険の手続きはリース会社が行うため手間が省けます。
一方で、契約期間中の途中解約が原則として認められないという大きな注意点があります。
機器が不要になったり故障したりしても、残りの期間の利用料を支払わなくてはなりません。
さらに、金利相当分や保険料などが上乗せされるため、総支払額は購入時より高くなります。
機器の進化が速く定期的に入れ替えたい場合はリース、長く使う場合は購入が適しています。
購入とリースの資金繰り比較|手元現金をどう残すか
経営面でもっとも重視すべきなのは、毎月のキャッシュフローを安定させることです。
購入とリースでは、現金の流出時期と税務上の経費になるタイミングが大きく異なります。
金融機関から借入をして購入した場合、元本の返済はお金が出ていくのに経費になりません。
経費になるのは減価償却費と支払利息だけなので、利益が出ていてもお金が残りにくいです。
リースを選んだ場合は、毎月の支払額の全額がそのまま費用として計上されます。
そのため、支出と経費のタイミングが一致し、資金繰りの計画が立てやすくなります。
設備投資を検討する際は、事業計画に基づいて資金繰り表を作成してみることを推奨します。
料金プランのページ などを確認し、調達方法ごとのコスト感も把握しておきましょう。
予期せぬ出費が重なった際にも耐えられるよう、運転資金を最低2か月分は手元に残すべきです。
設備投資に伴う資金ショートを防ぐ資金調達の選択肢
設備投資を行うと、頭金や初期費用の支払いによって手元資金が急激に薄くなります。
新しい医療機器を稼働させても、患者が増えて診療報酬が入るまでには時間がかかります。
保険診療の報酬は請求から入金まで約2か月の期間が空くため、資金繰りが厳しくなりがちです。
こうした設備投資の前後に生じる一時的な資金不足には、多様な調達手段の検討が役立ちます。
金融機関の追加融資は審査に数週間から数か月かかることが多く、即座の対応は困難です。
そこで選択肢のひとつとなるのが、早期に現金化できる診療報酬債権の買取サービスです。
診療報酬債権とは、かんたんに言うと「保険診療の対価として支払基金等から後で届くお金」です。
これを入金期日より前に売却することで、必要な運転資金を迅速に確保することができます。
自院の資金状態を事前に確かめるには 資金シミュレーター の活用が便利です。
診療報酬債権の買取(ファクタリング)という資金繰り対策
当社の診療報酬債権買取サービスは、医療機関が保有する確定債権を売買する仕組みです。
これは借入や融資ではなく、売掛債権を譲渡して期日前に資金化する取引に該当します。
そのため、担保や保証人を用意する必要はなく、借入金を増やさずに資金を調達できます。
当社サービスの手数料は3%からとなっており、詳しい条件は個別のお見積りで明示します。
掛け目は90%程度で設定され、買取上限額は毎月の保険請求額の最大6か月分まで可能です。
契約手続きの完了後、最短3営業日で指定口座へ前払い金が入金される迅速さが強みです。
対象となる機関は病院、クリニック、歯科医院で、調剤薬局や介護事業者は個別相談となります。
取引形態は、社会保険診療報酬支払基金や国保連へ通知を行う「3者間方式」を採用しています。
患者様や取引先の医療機器ディーラーなどに通知が届くことはありません。
また、償還請求権や買戻し義務のない契約形態ですので、安心してご利用いただけます。
ご利用にあたっては所定の審査があり、医療機関としての事業実態に応じて判断を行います。
なお、当社は貸金業者ではなく、債権の売買手数料には消費税がかかりません。
設備の支払いや運転資金の確保でお困りの際は お問い合わせ窓口 からご相談ください。
参考事例
※想定事例であり、実在の医療機関の事例ではありません。
内科クリニックを営む院長先生は、新規患者の受け入れ拡大のため超音波診断装置を導入しました。
機器の導入にはリース契約を選択したものの、院内改装などの付帯費用で手元資金が減少しました。
さらに、季節性の感染症流行に備えた医薬品の事前仕入れが重なり、翌月の資金繰りが悪化しました。
金融機関への融資申請も検討しましたが、審査結果が出るまでに1か月以上かかる見込みでした。
そこで院長先生は、翌々月に入金予定の診療報酬債権を活用して早期の資金化を実施しました。
- 保険請求額(診療報酬債権額):5,000,000円
- 前払い率(掛け目):90%
- 買取手数料率:3%
具体的な資金受取の計算の流れは以下の通りです。
- 前払い金額の計算
5,000,000円 × 90% = 4,500,000円
お申し込みから審査を経て、ご契約後最短3営業日で4,500,000円を受け取りました。
- 買取手数料の計算
5,000,000円 × 3% = 150,000円
※手数料は債権額全体に対して計算されます。
- 支払基金からの入金後の精算(残金受け取り)
5,000,000円 − 4,500,000円(前払い) − 150,000円(手数料) = 350,000円
- 受取合計額の計算
4,500,000円 + 350,000円 = 4,850,000円(債権額の97%)
この結果、改装費用の支払期日までに手元の現金を十分に補充することができました。
手元資金に余裕が生まれたことで、医薬品の仕入れやスタッフの賞与支払いも滞りなく完了しました。
過度な借入金を作ることなく、設備投資に伴う一時的な資金不足を乗り切ることに成功しました。
※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。
よくある質問
Q1. 医療機器のリース料と減価償却費は税務上でどのように違いますか?
購入した場合の減価償却費は、法定耐用年数に応じて毎年分割して経費計上していきます。
これに対してリース料は、原則として毎月支払った金額の全額をそのまま損金や必要経費に計上できます。
どちらが得になるかは、年間の利益水準や設備を何年間使い続けるかによって変わってきます。
Q2. 診療報酬債権の買取を利用すると、通院している患者に知られますか?
患者様や地域の取引先にお知らせが届くようなことはありません。
当社サービスは支払基金や国保連に対して債権譲渡通知を行う3者間方式で手続きを進めます。
通知先は公的な審査支払機関に限定されているため、医院の信用を損なわずに利用できます。
Q3. 赤字決算や借入金が多い医療機関でも債権の買取審査に通りますか?
当社では過去の決算書上の損益だけでなく、現在の診療報酬の請求実績を重視して審査します。
事業の実態に応じて個別に判断するため、借入残高がある場合でもご相談いただけます。
診療実績に応じた無理のない資金化をご提案しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
高額な医療機器を導入する際は、機器の寿命や陳腐化の速度に合わせて選択することが肝要です。
長期的に使い続ける機器は購入し、数年で更新したい機器はリースを選ぶのが基本姿勢となります。
設備導入時は初期費用や改装費用がかさむため、運転資金のショートに細心の注意が必要です。
手元の現金残高を常に意識し、将来のキャッシュフローを見据えた投資計画を立ててください。
もし設備投資の前後に資金繰りが悪化した場合は、診療報酬債権の早期資金化も有効な手段です。
自院の経営状況に合った最適な方法を選択し、安定した医療提供体制を維持していきましょう。
診療報酬債権の買取について、無料でご相談いただけます
手数料3%〜・掛け目90%程度・最短3営業日。いくら、いつ受け取れるかを具体的にお見積りします(審査あり)。

