社会保険診療報酬支払基金が公表した令和8年度(2026年度)の支払予定日を12ヶ月分そのまま掲載。診療月・レセプト請求期限・入金日・診療月末からの日数を一覧表にし、賞与や納税が重なる月の資金繰りまでやさしく解説します。
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診療報酬は、診療した月の翌月十日までにレセプトで請求します。 支払基金からの入金は、その翌月二十日前後。国保連は都道府県によって異なります。 つまり診療から入金まで、およそ五十日から八十日かかります。この間も、人件費や仕入れの支払いは続きます。 当社は、この期間を埋めるために診療報酬債権を買い取ります。
この記事でわかること
- 令和8年度(2026年度)の支払基金の支払予定日12ヶ月分と、診療月から入金までの実日数
- 支払日が「21日」からずれる月と、その理由(保険者の納入期日との関係)
- 賞与・納税が重なる月に、このカレンダーをどう資金繰りに使うか
この記事の日付は、社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」)が公表している資料をもとに編集部が整理したものです(調査日 2026-08-20)。支払予定日は年度・月により変わります。実際のご判断の前に、必ず支払基金の公式ページで最新情報をご確認ください。
結論: 2026年度は「原則21日」。ただし12ヶ月のうち7ヶ月はずれる
まず言葉を整理します。支払基金とは、かんたんに言うと、会社員や公務員などが入っている健康保険(社保)分の診療報酬を審査して支払う全国共通の機関です。都道府県ごとに分かれている国保連(国民健康保険団体連合会)とは別の組織です。
支払基金の公式説明では、医療機関への振込は「診療した月の翌々月の原則21日までに医療機関の指定する銀行口座に振り込む」とされています(出典: 支払基金「診療報酬の審査・支払業務の流れ」)。
ただし「原則21日」は目安です。令和8年度の12ヶ月を数えると、ちょうど21日に入金されるのは5ヶ月だけ。残り7ヶ月は20日〜24日の間で動きます。給料日にたとえると、「毎月21日払いだけど、その月のカレンダー次第で前後する会社」というイメージです。
【一覧】診療月 → 請求 → 入金日カレンダー(令和8年度)
表の見方です。
- 「レセプト請求期限」は、その診療分を支払基金に提出する期限です。支払基金は「電子レセプトをオンラインにより、診療翌月の10日までに提出します」と説明しています(出典: 診療報酬の審査・支払業務の流れ)。
- 「支払予定日」は支払基金の公表値をそのまま載せています。★は21日ちょうどではない月です。
- 「日数」は、診療月の末日から支払予定日までの実日数を編集部が計算したものです。
- 「入金月に起きること」は、多くの医療機関で資金の出入りが重なりやすい出来事を編集部がまとめたものです。医療機関の形態(法人か個人か、決算月)により変わります。
| 診療月 | レセプト請求期限 | 支払予定日 | 診療月末からの日数 | 入金月に起きること |
|---|---|---|---|---|
| 令和8年2月 | 3月10日(火) | 4月21日(火) | 52日 | 新年度スタート。昇給・入職で人件費が増えやすい |
| 3月 | 4月10日(金) | 5月21日(木) | 51日 | 3月決算の医療法人は5月末が法人税等の申告・納付期限 |
| 4月 | 5月10日(日) | ★6月22日(月) | 53日 | 夏の賞与月。住民税の特別徴収も6月分から新年度額に切替 |
| 5月 | 6月10日(水) | ★7月22日(水) | 52日 | 源泉所得税の納期の特例(1〜6月分)が7月10日。個人は予定納税第1期 |
| 6月 | 7月10日(金) | 8月21日(金) | 52日 | 夏季休診・お盆で外来が減り、翌々月の入金が細りやすい |
| 7月 | 8月10日(月) | ★9月24日(木) | 55日 | 年間で最も待ち時間が長い月。9月は連休が続く |
| 8月 | 9月10日(木) | 10月21日(水) | 51日 | 下期のスタート。設備更新・研修費が出やすい |
| 9月 | 10月10日(土) | ★11月20日(金) | 51日 | 個人事業の院長は予定納税第2期。入金は21日より前倒し |
| 10月 | 11月10日(火) | ★12月22日(火) | 52日 | 冬の賞与月。年末調整と年内の支払いが集中 |
| 11月 | 12月10日(木) | 令和9年1月21日(木) | 52日 | 源泉所得税の納期の特例(7〜12月分)が1月20日。入金の前日 |
| 12月 | 令和9年1月10日(日) | ★2月22日(月) | 53日 | 年末年始の休診で、この月に入る請求額が落ち込みやすい |
| 令和9年1月 | 2月10日(水) | ★3月23日(火) | 51日 | 個人事業の院長は所得税の確定申告・納付(原則3月15日まで) |
出典(支払予定日): 社会保険診療報酬支払基金「診療報酬等の支払予定日」(最終更新 2026年2月9日)
出典(納税の期限): 国税庁「予定納税」、国税庁「源泉所得税の納期の特例」。予定納税は第1期が7月1日〜7月31日、第2期が11月1日〜11月30日。源泉所得税の納期の特例は1〜6月分が7月10日、7〜12月分が翌年1月20日です(期限が土日祝なら翌平日)。
診療月の末日から数えると51〜55日、診療月の初日から数えると79〜85日。これが診療報酬の「お金の待ち時間」です。当サイトで「資金ギャップ 約50〜80日」とご案内しているのは、この計算にもとづいています。
なお、レセプトの提出期限「10日」は、10日が土日祝でも動きません。支払基金は、オンライン請求なら「休日を含めて毎月5日から7日は8時から21時まで、8日から10日は8時から24時まで」請求できると案内しています(出典: 支払基金「保険医療機関・保険薬局及び訪問看護に係るオンライン請求」)。紙や電子媒体で提出する場合は受付時間が違うため、余裕をもって準備しましょう。
支払日が動く本当の理由は「保険者の納入期日」
なぜ6月は22日、9月は24日、11月は20日なのでしょうか。「21日が土日祝だから」だけでは説明がつきません。たとえば令和8年12月21日は月曜(平日)ですが、支払予定日は12月22日です。
答えは、支払基金にお金が入る日にあります。支払基金は保険者(健康保険組合や協会けんぽなど)から医療費を受け取り、それを医療機関に振り込みます。支払基金は保険者に対して「診療翌々月10日までに請求し、保険者は同じ月の20日までに払い込む」と定めており、その具体的な納入期日も年度ごとに公表されています。
令和8年度の納入期日と支払予定日を並べると、次のようになります(出典: 支払基金「診療報酬等の請求日及び納入期日」)。
| 診療月 | 保険者の納入期日 | 医療機関への支払予定日 |
|---|---|---|
| 4月診療分 | 6月19日(金) | 6月22日(月) |
| 5月診療分 | 7月21日(火) | 7月22日(水) |
| 7月診療分 | 9月18日(金) | 9月24日(木) |
| 9月診療分 | 11月19日(木) | 11月20日(金) |
| 10月診療分 | 12月21日(月) | 12月22日(火) |
12ヶ月すべてを突き合わせると、支払予定日は「保険者の納入期日の次の営業日」に一致しています。※これは編集部が2つの公式資料を並べて確認した傾向で、支払基金が明文で示したルールではありません。
この見方ができると、翌年度の予定も大まかに読めます。9月のように連休が続く年は入金が後ろにずれ、11月のように納入期日が早い月は21日より前に入る。「21日固定」と思い込まないことが、資金繰り表を外さないコツです。
請求から入金まで、3つの通知がこの順番で届く
入金までに医療機関へ届く書類も、日程が決まっています。オンライン請求をしている場合、令和8年度は次のスケジュールです(出典: 支払基金「オンライン請求医療機関等データ提供日」)。
- 毎月5日ごろ: 返戻レセプト、増減点連絡書(CSV)、支払関係帳票(PDF)の配信。ここで査定・返戻の中身がわかります。
- 毎月15日ごろ: 振込額明細等(CSV)の配信。実際にいくら振り込まれるかが確定します。
- 支払日の1〜2日前: 当座口振込通知書等(PDF)の配信。たとえば4月診療分は6月23日、7月診療分は9月25日です。
つまり、入金額は支払日の約1週間前(15日ごろ)にはわかります。「月末の支払いが足りるかどうか」の判断は、15日を過ぎれば見込みではなく実額でできる、ということです。
紙で受け取っている医療機関は日程が異なります。令和8年度の増減点連絡書等の発送予定日は、たとえば4月診療分が7月6日、7月診療分が9月4日と公表されています(出典: 支払基金「増減点連絡書等・当座口振込通知書発送予定日」)。オンライン請求のほうが情報を早く受け取れます。
令和7年度と比べると、ブレは「最大2日」
「毎年どのくらい変わるのか」を知るために、令和7年度(2025年度)の実際の支払予定日と並べてみます。
| 診療月 | 令和7年度 | 令和8年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| 2月診療分 | 4月22日 | 4月21日 | 1日早い |
| 4月診療分 | 6月20日 | 6月22日 | 2日遅い |
| 7月診療分 | 9月22日 | 9月24日 | 2日遅い |
| 9月診療分 | 11月21日 | 11月20日 | 1日早い |
| 12月診療分 | 2月20日 | 2月22日 | 2日遅い |
| 翌1月診療分 | 3月23日 | 3月23日 | 同じ |
出典(令和7年度): 支払基金「診療報酬等の支払予定日」令和7年度版(2025年10月時点の保存版)
12ヶ月すべてを比べても、ずれは最大2日でした。令和7年度の診療月末からの日数は51〜53日の範囲です。年度が変わっても、支払日は20日〜24日、待ち時間は約51〜55日。この幅を覚えておけば、来年度の資金繰り表もおおよそ組めます。
ただし、これはあくまで社保分の話です。国保連の支払日は都道府県ごとに違い、紙請求なら月末近くになる県もあります。詳しくは都道府県別 国保連の診療報酬支払日一覧をご覧ください。
このカレンダーを資金繰りに使う3ステップ
せっかく日付がわかっても、表を眺めるだけではもったいないところです。次の3ステップで使ってみてください。
ステップ1: 支出日を書き込む。給与日、賞与日、家賃、リース料、社会保険料、納税日を月ごとに書き出します。そこへ上の表の支払予定日と、国保連の入金日を重ねます。
ステップ2: 「入金より先に大きな支出が来る月」に印をつける。多くの医療機関で引っかかるのは6月と12月です。賞与の支給日が20日前後だと、入金(6月22日・12月22日)より前に大きなお金が出ていくことになります。
ステップ3: 印がついた月の手当てを決める。順番は、①支給日・支払日を入金後にずらせないか検討する、②手元資金を厚めに残しておく、③それでも足りない分だけ診療報酬債権の売却(ファクタリング)で前倒しする、という流れが現実的です。
③について補足します。診療報酬債権の売却とは、かんたんに言うと「翌々月に入ってくる権利」を先に売って、その代金を早く受け取る方法です。当社の場合、掛け目(前払いする割合)は90%程度、手数料は3%〜(条件により変動し、お見積りで明示)、ご契約後最短3営業日で入金します(初回は審査や支払基金への通知手続きのためお時間をいただく場合があります)。当社は貸金業者ではなく、本サービスは債権の売買契約です。償還請求権なし(ノンリコース)で買戻し義務もなく、担保・保証人は不要です。ただし審査はあります。しくみの詳細はサービス紹介ページをご覧ください。
参考事例
※想定事例です。実在の医療機関ではありません。
D整形外科クリニック(夏の賞与月の資金手当て・想定)
- 背景: 常勤・非常勤あわせて18名。保険請求は月1,200万円(支払基金分700万円、国保連分500万円)。夏の賞与は総額900万円で、支給日は長年6月10日でした。ところが令和8年度は、4月診療分の入金が6月22日。賞与の支給が入金より12日も早く、6月上旬に手元資金が底をつきそうな見通しでした。
- やったこと: まず、この記事の表を自院の資金繰り表に転記し、6月と12月に印をつけました。次に、就業規則を確認したうえで賞与の支給日を6月26日に変更(職員には4月の全体会で説明)。それでも6月上旬の仕入れ・リース料の支払いに不足が出るため、支払基金分の債権のうち500万円分だけを当社に売却することにしました。
- 数字: 500万円 × 90% = 450万円をご契約後に前払い。手数料は条件により3%で、500万円 × 3% = 15万円。支払基金からの入金後、残りの 500万円 − 450万円 = 50万円 から手数料15万円を差し引いた 35万円 を精算。受取合計は 450万円 + 35万円 = 485万円(= 500万円 − 15万円)です。
- 結果: 6月上旬の支払いを予定どおり実行し、6月22日の入金を受けて6月26日に賞与を支給できました。さらに、7月10日の源泉所得税(1〜6月分)の納付にも余裕をもって対応。以後は「6月と12月だけ相談する」形に落ち着いています。
※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。
まとめ
- 令和8年度の支払基金の支払予定日は、4月21日・5月21日・6月22日・7月22日・8月21日・9月24日・10月21日・11月20日・12月22日・1月21日・2月22日・3月23日です。
- ちょうど21日に入るのは5ヶ月だけ。残り7ヶ月は20日〜24日でずれます。
- 診療月の末日から入金までは51〜55日、診療月の初日からは79〜85日。令和7年度もほぼ同じ幅でした。
- 支払予定日は「保険者の納入期日の翌営業日」に一致しています(編集部の突き合わせによる傾向)。連休の年は後ろにずれます。
- 入金額はオンライン請求なら毎月15日ごろの振込額明細で確定します。月末の判断は15日以降なら実額でできます。
- 賞与と入金が重なる6月・12月は、支給日の見直し、手元資金、必要な分だけの債権売却を組み合わせて備えましょう。
- 支払予定日は年度・月により変わります。必ず支払基金の公式ページで最新情報をご確認ください。
「自院ならいくら前払いを受けられるか」はシミュレーターで試せます。
よくある質問
Q. 支払予定日に入金がない場合はどうすればよいですか?
A. まず、毎月15日ごろに配信される振込額明細で対象月の金額と振込先口座をご確認ください。返戻や査定で金額が変わっている場合もあります。そのうえで、支払基金の各審査委員会事務局・審査事務センターにお問い合わせください。
Q. 支払日を早める方法はありますか?
A. 支払基金の支払予定日そのものを早めることはできません。入金を前倒しする手段としては、確定した診療報酬債権を売却する方法があります。当社は3者間方式のため支払基金・国保連への債権譲渡通知(確定日付付き)を行いますが、患者さんや取引先への通知はありません。詳しくはお問い合わせからご相談ください。
Q. 来年度(令和9年度)の支払予定日はいつわかりますか?
A. 令和8年度分の掲載は2026年2月9日が最終更新でした。例年、年度が始まる前後に支払基金の公式ページで公表されます。確定した日付が出るまでは、「翌々月の20日〜24日、診療月末から51〜55日」を目安に組み、公表されたら差し替えるのが安全です。
入金日から逆算して、資金の手当てを設計します
「この支払いに間に合わせたい」という日が決まっていれば、そこから逆算していつ手続きを始めればよいかをご案内します。

