診療報酬ファクタリング(債権の売却)と銀行融資(借入)を、返済の有無・担保・入金までの日数・決算書への影響・コストの考え方で比較。使い分けと併用のコツを想定事例つきでやさしく解説します。
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手数料は、買取債権額に対して三パーセントから。一回きりの費用で、利息のように毎月かさむことはありません。 たとえば債権額が二千万円で手数料が三パーセントなら、費用は六十万円。受け取る合計は千九百四十万円、債権額の九十七パーセントが手元に残ります。 消費税は非課税。事務手数料や仲介手数料などの追加費用もありません。
この記事でわかること
- 「売る」ファクタリングと「借りる」銀行融資の根本的な違い
- 返済・担保・日数・決算書への影響の比較表
- コストの考え方と、上手な使い分け・併用のしかた
結論: ファクタリングは「売る」、銀行融資は「借りる」
結論から言うと、いちばん大きな違いは「お金の性質」です。銀行融資は、お金を借りて、あとで利息を付けて返します。診療報酬ファクタリングは、あとで入金される診療報酬を受け取る権利(診療報酬債権)を売って、その代金を先に受け取ります。返すものではありません。
言葉を整理します。
- 銀行融資: 銀行からお金を借りること。元本(借りたお金)に利息を付けて、決めた期間で返済します。
- ファクタリング: 債権(お金を受け取る権利)を専門の会社に売ること。売った代金を受け取り、手数料を負担します。
- 診療報酬債権: 保険診療をしたあと、支払基金・国保連から翌々月20日前後に入金されるお金を受け取る権利です。
身近なたとえにすると、融資は「友人にお金を借りて、来月お礼を付けて返す」こと。ファクタリングは「来月もらえる予定のお小遣いの権利を、少し割引して今日買い取ってもらう」ことです。どちらも今日お金が手に入りますが、あとに残るものが違います。
比較表: 返済・担保・日数・決算書
主な違いを表にまとめます。
| 項目 | 銀行融資(借入) | 診療報酬ファクタリング(当社) |
|---|---|---|
| お金の性質 | 借りる(返済が必要) | 売る(返すものではない) |
| コスト | 金利(年率で期間に応じて発生) | 買取手数料(1回の買取ごとに3%〜、条件により変動) |
| 担保・保証人 | 必要な場合が多い | 不要 |
| 入金までの日数 | 審査に数週間〜1ヶ月以上かかることも | ご契約後最短3営業日(初回は審査・通知手続きで時間を要する場合あり) |
| 決算書への影響 | 負債(借入金)として計上 | 負債にならない(債権が現金に変わる) |
| 金額の決まり方 | 返済能力・担保などから | 保険請求額をもとに、最大6ヶ月分まで |
| 万一入金がなかったら | 返済義務は残る | 償還請求権なし(ノンリコース)。買戻し義務もなし |
| 審査 | あり | あり |
ポイントは「決算書への影響」です。融資を受けると、貸借対照表(財産と負債の一覧表)の負債が増えます。ファクタリングは、売掛金(診療報酬債権)が現金に変わるだけなので、負債は増えません。次に銀行から借りたいときの「借入枠」を温存できる、と考えると分かりやすいでしょう。
なお、当社のサービスは診療報酬債権の売買(譲渡)契約であり、当社は貸金業者ではありません。審査はあります。
コストの考え方: 年率で比べると見え方が変わる
正直にお伝えすると、コストの「見え方」は比べ方で変わります。
融資の金利は「年率」です。たとえば年2%で1,000万円を1年借りれば、利息は 1,000万円 × 2% = 20万円です。
一方、当社の買取手数料は「1回の買取ごと」の率で、月率・年率ではありません。1,000万円の債権を手数料3%で売却すれば、手数料は 1,000万円 × 3% = 30万円。受け取りが早まるのは約2ヶ月分です。
融資は「お金を借りて、利息をつけて返す」契約です。ファクタリングは「債権を売って、その代金を受け取る」契約で、返済も利息もありません。性質が違うため、金利と手数料をそのまま並べて比べることはできません。
比べるなら、同じ期間に実際にいくら支払うかで見るのが分かりやすい方法です。1,000万円を2ヶ月早く受け取るために30万円(債権額の3%)をお支払いいただき、970万円が手元に残ります。融資の場合は、利息のほかに保証料・印紙代・場合によっては担保設定費用がかかり、さらに返済が始まります。
それでもファクタリングが選ばれる場面があるのは、次のような理由からです。
- 急いでいる: 融資の審査を待てない支払いがある
- 借入を増やしたくない: 負債を増やさず、銀行の借入枠を残しておきたい
- 短期間・1回だけ: 2ヶ月だけ早く受け取れればよく、長期の返済を抱えたくない
- 担保・保証人を用意できない: 開業直後や、すでに担保を使い切っている
逆に、長い期間・大きな金額を低いコストで使いたいなら、融資のほうが向いています。どちらが「正しい」ではなく、「期間」と「急ぎ度」で使い分けるのが合理的です。手数料の決まり方はご利用条件・手数料ページでも詳しく説明しています。
併用という選択肢: 長期は融資、短期の時間差はファクタリング
実は、ファクタリングと銀行融資は「どちらか」ではなく、併用できます。
- 長期の設備資金や開業資金: 銀行融資で、数年かけて計画的に返済する
- 毎月の入金サイクルによる時間差、賞与・納税などの一時的な山: 診療報酬債権の売却で、翌々月の入金を先に受け取る
このように役割を分けると、融資の借入枠を温存しながら、短期の山を越えられます。銀行との関係を大切にしたい医療機関ほど、「急な資金のたびに追加融資を頼む」のではなく、短期の時間差は別の方法で埋める、という整理が効きます。
ただし、ファクタリングは毎月使い続けると手数料が積み重なります。赤字の原因そのものを解決するものではないので、並行して収支の見直しを進めることが大切です。
参考事例
※想定事例です。実在の医療機関ではありません。
E小児科クリニック(医療法人・想定)
- 背景: 月の保険請求額は約900万円。分院を開く計画があり、その開業資金は銀行融資で準備中でした。ところが融資の実行が翌月にずれ、本院の賞与と納税が重なる月の資金が一時的に不足する見込みになりました。
- やったこと: 融資の枠は分院のために温存したいと考え、追加の借入ではなく、本院の直近1ヶ月分の診療報酬債権を当社に売却。理事会の議事録を整え、審査のうえ契約しました。
- 数字: 900万円 × 90% = 810万円を前払い。手数料は条件により3%で、900万円 × 3% = 27万円。入金後の精算は 90万円 − 27万円 = 63万円。受取合計は 810万円 + 63万円 = 873万円。
- 結果: 賞与・納税を予定どおり支払い、翌月に分院の融資も予定どおり実行。負債を増やさずに一時的な山を越え、銀行との関係も保てました。
※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。
まとめ
- 銀行融資は「借りる」、ファクタリングは「売る」。返済の有無と決算書への影響が根本的に違います。
- ファクタリングは担保・保証人不要、ご契約後最短3営業日、負債にならない。一方、同じ期間で比べるとコストは融資より高く見えます。
- 長期・大口は融資、短期の時間差はファクタリング、と役割を分けて併用するのが合理的です。
- 併用するときは、融資の契約書に「診療報酬債権の譲渡禁止特約」や既存の担保設定がないかを先に確認してください。ある場合は、金融機関の同意が必要になります。
自院の金額で比べてみたい方はシミュレーターをどうぞ。個別の事情はお問い合わせからご相談ください。
よくある質問
Q. すでに銀行から借入があっても、ファクタリングは使えますか?
A. はい。診療報酬債権の売却は借入とは別の取引ですので、既存の借入があってもご相談いただけます。ただし審査はあります。
Q. ファクタリングを使うと、銀行からの印象が悪くなりませんか?
A. 債権の売却は負債を増やさない資金調達で、借入枠を温存する目的で使われることも多い方法です。決算書上も負債にはなりません。気になる場合は、使い方を顧問税理士や取引銀行に事前に相談しておくと安心です。
Q. 融資の審査に落ちた場合でもファクタリングは使えますか?
A. 当社の審査は、融資の審査とは見る点が異なります。診療報酬債権の請求実績などをもとに検討しますので、まずはご相談ください。ただし、必ずご利用いただけるとは限りません。
銀行融資と併用する前提でもご相談ください
借入枠を残したまま資金を確保したい、というご相談は多くいただきます。取引銀行との関係を踏まえてご提案します。

