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診療報酬の資金ギャップ カレンダー|12ヶ月分の請求日・入金日

診療報酬の請求日・入金日と、制度上の期日が決まっている支出を12ヶ月分の表にまとめました。資金ギャップは平均約65日。出典URLつきで、自院の資金繰り表づくりにそのまま使えます。

経営監修:Central Medience Payments 編集部
診療報酬の資金ギャップ カレンダー|12ヶ月分の請求日・入金日

診療報酬の請求日・入金日と、制度上の期日が決まっている支出を12ヶ月分の表にまとめました。資金ギャップは平均約65日。出典URLつきで、自院の資金繰り表づくりにそのまま使えます。

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診療報酬は、診療した月の翌月十日までにレセプトで請求します。 支払基金からの入金は、その翌月二十日前後。国保連は都道府県によって異なります。 つまり診療から入金まで、およそ五十日から八十日かかります。この間も、人件費や仕入れの支払いは続きます。 当社は、この期間を埋めるために診療報酬債権を買い取ります。

「今月は出ていくお金が多い気がする」。そう感じる月は、だいたい毎年同じです。医療機関のお金の流れは、診療報酬の入金も、社会保険料や税金の支払いも、制度で日付がほぼ決まっているからです。つまり、1年分をカレンダーに書き出せば、資金が細る月は先に見えます。この記事は、その12ヶ月分の一覧表そのものです。印刷して事務室に貼れる形にまとめました。

この記事でわかること

  • 診療から入金までの「資金ギャップ」が何日あるか(平均約65日の数え方)
  • 12ヶ月それぞれの「請求するもの・入金されるもの・出ていくお金」の一覧表
  • 支出が重なる4つの月(6月・7月・12月・1月)と、その備え方

なお、税金の話が多く出てきます。具体的な期日・税額は顧問税理士にご確認ください。この記事は一般的な制度の期日を整理したもので、決算月や個人・法人の別、従業員数によって当てはまり方が変わります。

資金ギャップは平均で約65日:まず日数を数える

資金ギャップとは、かんたんに言うと「働いてから、お金が手元に届くまでの待ち時間」です。お店のツケと同じで、診療しても、その場では現金になりません。

保険診療のお金の流れは3段階です。

  1. 診療する(例: 4月)
  2. 翌月10日までにレセプト(=診療報酬の請求書)を提出する(例: 5月10日)
  3. 診療月の翌々月20日前後に入金される(例: 6月20日前後/支払基金の場合)

同じ4月の診療でも、月初に診た患者さんと月末に診た患者さんでは、待ち時間がまるで違います。数えてみましょう。

診療した日レセプト請求入金(支払基金の例)資金ギャップ
4月1日5月10日まで6月20日前後約80日
4月15日5月10日まで6月20日前後約66日
4月30日5月10日まで6月20日前後約51日

計算式は単純です。4月1日の診療なら、4月に残り29日+5月31日+6月20日 = 約80日。4月30日の診療なら、5月30日+21日 = 約51日。月初と月末をならすと、次のようになります。

2026年度(令和8年度)の実際の支払日で数えると
支払基金が公表している令和8年度の支払予定日では、4月診療分の入金は 6月22日 です。この実日付で数えると、4月1日の診療は82日、4月15日は68日、4月30日は53日となります(支払基金の支払日カレンダーに12ヶ月分をまとめています)。年度や月によって1〜3日前後します。
  • (80日 + 51日)÷ 2 = 約65日

つまり、1ヶ月分の診療報酬は、平均して約65日ぶん先に「立て替えている」状態です。1ヶ月の保険請求額が1,000万円の医院なら、常時2,000万円前後が「請求済み・未入金」として外に出ている計算になります。ここが、黒字なのに口座が薄い、という感覚の正体です。

国保連(国民健康保険団体連合会)は都道府県により入金日が異なり、概ね20日〜月末です。月末寄りの県では、ギャップは上の表よりさらに数日〜10日ほど長くなります。入金の流れそのものは診療報酬はいつ入金される?でくわしく説明しています。

カレンダーを読む3つのルール

次の一覧表は、たった3つのルールでできています。ここだけ覚えれば、何年先のカレンダーでも自分で書けます。

  • ルール1(請求): その月に請求するのは「前月の診療分」。期限は10日まで。
  • ルール2(入金): その月に入金されるのは「2ヶ月前の診療分」。=前月に請求した分。20日前後(支払基金)。
  • ルール3(支出): 制度で日付が決まっている支出は、毎月あるものと、特定の月だけのものに分かれる。

毎月あるものは、次の3つです。表では「毎月分」とまとめています。

毎月の支出期日出典
健康保険・厚生年金保険の保険料納付対象月の翌月末日(4月分は5月末日)日本年金機構
源泉所得税給与などを支払った月の翌月10日まで国税庁
個人住民税(特別徴収)給与から天引きした月の翌月10日まで総務省

源泉所得税には「納期の特例」があります。給与を支払う人が常時10人未満の場合、申請して承認を受ければ、1〜6月分を7月10日まで、7〜12月分を翌年1月20日までの年2回にまとめられます。毎月の事務は減りますが、7月と1月にまとめて出ていくため、カレンダー上は山になります。

12ヶ月カレンダー:請求・入金・出ていくお金の一覧

「資金の余裕」欄の見方です。◎=通常月/○=該当すれば負担が増える月/△=支出が重なりやすい要注意月

この月に請求するものこの月に入金されるものこの月に出ていくお金(制度上の期日があるもの)資金の余裕
1月12月診療分(1/10まで)11月診療分(20日前後)毎月分+源泉所得税の納期の特例(7〜12月分を1/20まで)、法定調書の提出(1/31まで)、償却資産の申告(1/1現在の資産を1/31まで)、12月支給の賞与にかかる社会保険料(12月分として1月末)
2月1月診療分12月診療分(年末年始の休診で薄くなりやすい)毎月分+12月決算法人の法人税等(事業年度終了の翌日から2か月以内)
3月2月診療分1月診療分(年始の休診の影響が残る)毎月分+個人開業医の所得税の確定申告・納付(3/15まで)
4月3月診療分2月診療分(日数が少なく薄くなりやすい)毎月分
5月4月診療分3月診療分毎月分+3月決算法人の法人税等(事業年度終了の翌日から2か月以内=5月末)
6月5月診療分4月診療分毎月分+個人住民税の特別徴収が新年度分に切り替わる(6月〜翌年5月)、労働保険の年度更新の受付開始(6/1〜7/10)、夏の賞与(※制度上の期日ではなく一般的な支給月)
7月6月診療分5月診療分毎月分+労働保険料の申告・納付(7/10まで)、源泉所得税の納期の特例(1〜6月分を7/10まで)、算定基礎届の提出(7/1〜7/10)、所得税の予定納税 第1期(7/31まで)、6月支給の賞与にかかる社会保険料(6月分として7月末)
8月7月診療分6月診療分毎月分
9月8月診療分7月診療分毎月分
10月9月診療分8月診療分毎月分(※算定基礎届で決めた新しい標準報酬月額は9月分から適用=10月末納付分から金額が変わる)
11月10月診療分9月診療分毎月分+所得税の予定納税 第2期(11/30まで)
12月11月診療分10月診療分毎月分+年末調整(その年最後の給与支払時に過不足を精算)、冬の賞与(※制度上の期日ではなく一般的な支給月)

賞与は法律で支給月が決まっているわけではありません。ただ、6月・7月と12月に支給する医療機関が多いため、参考として入れています。自院の支給月に置き換えてお使いください。

支出が重なる4つの月(6月・7月・12月・1月)と対策

表を眺めると、△が付くのは6月・7月・12月・1月です。理由はそれぞれ違います。

6月は、賞与と、住民税の切り替えが重なります。住民税の特別徴収は6月から翌年5月までが1年度で、6月支給の給与から新しい年度の金額に変わります。天引き額が増えれば、その分を翌月10日までに納入する必要があります。労働保険の年度更新もこの月から始まります。

7月は、期日が最も集中する月です。労働保険料の申告・納付が7月10日まで。源泉所得税の納期の特例を使っていれば、1〜6月分の半年分も同じ7月10日まで。算定基礎届の提出も7月1日から7月10日まで。個人開業医であれば、所得税の予定納税 第1期が7月31日まで。さらに6月に賞与を出していれば、その社会保険料が7月末に来ます。「7月10日」に3つの期日が重なるのがこの月の特徴です。

12月は、冬の賞与と年末調整です。年末調整は、その年最後に給与を支払うときに1年分の所得税の過不足を精算する手続きです。従業員に還付する側になることが多く、その月の資金が想定より減ることがあります。

1月は、12月の賞与にかかる社会保険料の納付(12月分は1月末)に加えて、源泉所得税の納期の特例分(1/20)、法定調書の提出(1/31)、償却資産の申告(1/31)が並びます。しかも、この月に入金されるのは11月診療分で、翌2月には年末年始の休診で薄くなった12月診療分が入ってきます。支出が多い時期に、入金が細る。1月〜2月が一番ひやりとしやすいのは、このためです。

対策は3つです。

  1. 山の月の3ヶ月前から積み立てる。6月・12月の賞与が年間合計1,200万円なら、1,200万円 ÷ 12ヶ月 = 月100万円を別口座へ。
  2. 休診日の多い月をカレンダーに書き込む。年末年始・大型連休の診療日数が減ると、その2ヶ月後の入金が細ります。
  3. 足りない月の「使える手」を先に決めておく。金融機関への相談、納税の猶予の相談、診療報酬債権の売却など、選択肢を並べて優先順位を付けておきます。

賞与月に絞った備え方は賞与・納税の月に資金が足りない…季節資金の備え方にまとめています。

制度上の期日の出典(一次情報の確認先)

この記事の期日は、すべて公的機関のページで確認したものだけを載せています。年度によって、期日が土日祝にあたると翌営業日にずれます。最新の日付は必ず下記の一次情報と顧問税理士でご確認ください。

項目出典(リンク)
社会保険料の納付期限(納付対象月の翌月末日)日本年金機構「納付期限」
算定基礎届(定時決定)の提出期間(7/1〜7/10)日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」
源泉所得税の納付期限・納期の特例(7/10・1/20)国税庁 No.2505
所得税の予定納税(第1期 7/31・第2期 11/30)国税庁 No.2040
所得税の確定申告・納付(3/15)国税庁 No.2020
法定調書の提出期限(翌年1/31)国税庁「法定調書の種類及び提出期限」
年末調整(その年最後の給与支払時)国税庁 No.2665
法人税の申告・納付(事業年度終了の日の翌日から2か月以内)国税庁「法人税等の申告」
労働保険の年度更新(6/1〜7/10)厚生労働省「労働保険の年度更新とは」
個人住民税の特別徴収(6月〜翌年5月・翌月10日納入)総務省「個人住民税」
償却資産の申告(1/1現在・1/31まで)総務省「固定資産税」

診療報酬の請求・入金の期日は、社会保険診療報酬支払基金および各都道府県の国民健康保険団体連合会が公表する支払予定日によります。年度ごとに公表されますので、毎年4月にご確認ください。

自院版カレンダーに作り替える3ステップ

上の表は、どの医療機関にも共通する「骨組み」です。自院の数字を入れると、はじめて資金繰り表になります。

ステップ1: 入金の見込み額を入れる

各月の「入金されるもの」欄に、2ヶ月前の保険請求額を書き込みます。過去12ヶ月の支払決定通知書があれば、そのまま使えます。窓口負担分(自費・患者一部負担)は日々入るお金なので、別の行に分けると見やすくなります。

ステップ2: 支出の実額を入れる

「毎月分」には、直近の社会保険料の納入告知額・源泉所得税・住民税の納入額をそのまま。賞与・納税は、前年の実績を置いてから今年の見込みに直します。

ステップ3: 月末残高を計算し、マイナスになる月を丸で囲む

前月末残高 + 入金 − 支出 = 月末残高。この計算を12ヶ月分つなげます。残高が手元資金の目安(月商の1ヶ月分など)を下回る月に丸を付ければ、それが「対策が必要な月」です。

売却をいくらすれば足りるかを試したいときは、かんたんシミュレーターに月の保険請求額と希望月数を入れると、前払額と手数料の目安がその場で出ます。

参考事例

※想定事例です。実在の医療機関の事例ではありません。

E内科クリニック(医療法人・想定)の場合

背景: 月の保険請求額は約1,000万円。前年、6月の夏季賞与のあとに口座残高が想定より減り、7月10日の労働保険料と源泉所得税(納期の特例で1〜6月分)の納付でさらに細りました。事務長が「なぜ毎年6月・7月なのか」を整理するため、この12ヶ月カレンダーに自院の数字を入れてみました。

やったこと: ステップ1〜3で作った表を見ると、6月末と7月末の残高が続けて薄くなることが分かりました。原因は、賞与(6月)と、7月10日に重なる3つの期日、そして6月賞与にかかる社会保険料(7月末)でした。そこで、6月・7月の2ヶ月をまとめてカバーする方針にし、4月に当社へ相談。2ヶ月分の診療報酬債権を売却することにしました。医療法人のため理事会議事録を準備し、支払基金・国保連への債権譲渡通知(確定日付付き)を当社と連名で行いました。

数字(掛け目90%・手数料3%と仮定)

  • 買取債権額: 1,000万円 × 2ヶ月分 = 2,000万円
  • 前払い: 2,000万円 × 90% = 1,800万円(ご契約後、最短3営業日)
  • 買取手数料: 2,000万円 × 3% = 60万円(消費税非課税)
  • 残金: 2,000万円 − 1,800万円 − 60万円 = 140万円(支払基金・国保連からの入金後に精算)
  • 受取合計: 1,800万円 + 140万円 = 1,940万円

結果: 5月下旬に1,800万円が入金され、6月の賞与と、7月10日の労働保険料・源泉所得税、7月末の社会保険料まで、慌てずに支払えました。売却した2ヶ月分は当社へ入金され、そのつど残金を精算。翌年からは賞与分の月割り積み立て(月100万円)を始め、カレンダーの△を1つずつ○に戻していく計画に切り替えました。銀行の借入枠は使わずに残せたため、翌年の内視鏡設備の相談に回せています。

※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。

使うときの注意点

  • 審査があります。保険医療機関の指定確認、レセプトの請求実績、当社基準の本人確認・反社会的勢力の排除の確認などを行います。
  • 初回は時間に余裕をみてください。支払基金・国保連への通知手続きがあるため、初回はご相談から入金まで2〜3週間が目安です。7月に備えるなら、5月中のご相談が安心です。
  • 売却した月の入金は当社経由になります。その月の通常入金がなくなり残金精算の形になるので、必ずカレンダーに反映してください。ここを忘れると、2ヶ月後の月末残高を読み違えます。
  • 当社サービスは債権の売買(譲渡)です。借入ではないため返済という考え方がなく、償還請求権なし(ノンリコース)・買戻し義務なし、担保・保証人も不要です。当社は貸金業者ではありません。
  • 医療法人は議事録が必要な場合があります。定款・規模に応じて理事会(場合により社員総会)の議事録をお願いすることがあります。

どの月にどう使うかは、活用シーンにも8つのパターンを載せています。

まとめ

医療機関のお金は、入るほうも出るほうも、制度で日付がほぼ決まっています。だから1年分を表にすれば、細る月は先に見えます。

  • 診療から入金までの資金ギャップは、月初の診療で約80日、月末で約51日、ならすと約65日
  • 請求は「前月分を10日まで」、入金は「2ヶ月前の診療分が20日前後」。この2つで入金欄は埋まります。
  • 制度上の期日が重なるのは6月・7月・12月・1月。とくに7月10日は3つの期日が重なります。
  • 1〜2月は、支出が多いうえに年末年始の休診で入金が細る、二重の谷になりやすい時期です。

見えてしまえば、打ち手は「積み立てる」「使える手を決めておく」の2つに絞れます。診療報酬債権の売却は、その「使える手」の1つです。ご自身のカレンダーを持ってご相談いただければ、必要な月数と金額を一緒に整理します。なお、具体的な期日・税額は顧問税理士にご確認ください。

よくある質問

Q. 国保連の入金日が県によって違うと、カレンダーはどう変わりますか?
A. 入金の列だけが後ろにずれます。国保連は都道府県により概ね20日〜月末で、月末寄りの県では資金ギャップが数日〜10日ほど長くなります。社保分(支払基金)と国保分を別の行に分けて書くと、月末残高の読み違いを防げます。

Q. 決算月が3月ではない場合、表のどこを直せばよいですか?
A. 法人税等の納付は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内が原則です。たとえば9月決算なら11月末、12月決算なら2月末に置き換えてください。予定納税や確定申告は個人開業医の項目なので、医療法人であれば不要です。具体的な期日・税額は顧問税理士にご確認ください。

Q. カレンダーで足りない月が分かりました。いつ相談すればよいですか?
A. 不足する月の1ヶ月以上前が目安です。初回は審査と債権譲渡通知の手続きがあり、ご相談から入金まで2〜3週間かかります。2回目以降は請求データをいただいてからすみやかに進みます。作成した資金繰り表をお持ちいただけると、必要な月数のご提案が早くなります。

支出が重なる月の資金繰り、一緒に組み立てます

賞与月・納税月など、資金が必要な時期が決まっているなら早めの設計が有効です。年間の資金繰りを見ながらご提案します。

資金繰りを相談する受取額を試算するお電話(平日 10:00-18:00)03-5544-9120サービス資料(PDF)
Central Medience Payments 編集部株式会社Central Medience(医療経営支援グループ)のファイナンス事業部が、医療機関の資金繰り・診療報酬債権の実務について解説しています。記事内容は公開時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務判断は専門家にご確認ください。
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