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医療DXで事務負担とコストを減らす|導入の順番と資金

レセプト業務の効率化、紙とハンコの削減、職員向け情報共有の整理まで、医療DXを小さく始める手順を解説。返戻・査定を減らす点検の進め方と、投資判断の考え方もあわせてまとめます。

経営監修:Central Medience Payments 編集部
医療DXで事務負担とコストを減らす|導入の順番と資金

レセプト業務の効率化、紙とハンコの削減、職員向け情報共有の整理まで、医療DXを小さく始める手順を解説。返戻・査定を減らす点検の進め方と、投資判断の考え方もあわせてまとめます。

この記事でわかること

  • 医療DXを「どこから」始めるかを決めるための、業務の棚卸しのしかた
  • レセプト業務で返戻・査定を減らすための、月次の点検手順
  • システム投資が見合うかどうかを判断する、かんたんな計算のしかた

DXは「全部入れ替える」ことではありません

医療DXと聞くと、大がかりなシステムの入れ替えを想像するかもしれません。実際に効果が出やすいのは、もっと小さな取り組みです。

かんたんに言うと、DXとは「人が紙とハンコでやっていたことを、機械に任せられる形に置き換える」ことです。目的はコスト削減そのものではなく、職員が本来やるべき仕事に時間を使えるようにすることです。結果として残業が減り、離職も減り、コストが下がります。

大切なのは順番です。いきなり製品を選ぶのではなく、まず自院の業務を並べて、時間がかかっているところを特定します。

手順1:事務作業を棚卸しして時間を測る

2週間ほど、事務職員に次の記録をつけてもらいます。難しい様式は不要で、表計算ソフトで十分です。

  • 作業の名前(レセプト点検、予約の電話対応、シフト作成、備品発注、書類の郵送 など)
  • 1回あたりの所要時間
  • 月あたりの回数

これを集計すると、月あたりの時間が出ます。たとえば「レセプト点検が1回30分×月40回 = 20時間」といった具合です。時間の長い順に並べれば、どこから手をつけるべきかが見えます。

このとき、あわせて「その作業は資格が必要か」も記録してください。資格が不要な作業ほど、システムや外部委託に移しやすいからです。

手順2:レセプト業務の返戻・査定を減らす

事務作業の中でも、経営への影響が大きいのがレセプト業務です。レセプトとは、かんたんに言うと保険へ出す請求書のことです。

ここでの改善は、コスト削減であると同時に収入の改善でもあります。押さえるのは次の3つです。

① 返戻を減らす
返戻とは、記載の不備などで請求書が差し戻されることです。差し戻されると入金が翌月以降にずれ込み、資金繰りに影響します。返戻の理由は毎月記録し、多い順に3つだけ対策を決める。これを続けるだけで着実に減ります。

② 査定を減らす
査定とは、請求内容の一部が認められず減点されることです。査定された項目を診療科ごとに集計し、医師に共有する仕組みをつくります。

③ 承認率を毎月見る
承認率は、請求した金額に対して実際に入金された割合です。

  • 承認率 = 入金額 ÷ 請求額

この数字を毎月グラフにして、下がったときにその月の返戻・査定を調べる。それだけで、原因が早く見つかります。承認率が安定していると、診療報酬債権の買取を利用する際の見込みも立てやすくなります。

手順3・4:紙とハンコを減らし、投資が見合うかを計算する

手順3:紙とハンコを減らす

次に取り組みやすいのが、院内の情報のやり取りです。次のような業務は、電子化の効果が見えやすい領域です。

業務紙のときの手間電子化したときの効果
シフト・勤怠紙の希望表を集めて手入力提出・集計の手間が減る
院内の通知・マニュアル掲示と回覧、更新のたびに刷り直し最新版に常にアクセスできる
稟議・各種申請押印待ちで滞る承認の履歴が残り、待ち時間が減る
職員の連絡・シフト共有電話やメールが分散連絡が一箇所に集まる
備品・消耗品の発注紙の依頼書発注履歴と在庫が把握できる

すべてを一度に変える必要はありません。手順1で時間の長かった業務から、ひとつずつ置き換えます。1つ定着させてから次に進むほうが、結果的に早く進みます。

手順4:投資が見合うかを計算する

システムを導入する前に、必ず次の計算をしてください。

  • 年間の削減時間 = 削減できる月あたり時間 × 12ヶ月
  • 年間の削減効果 = 年間の削減時間 × 時間あたり人件費
  • 回収期間 = (初期費用 + 年間利用料)÷ 年間の削減効果

たとえば、月20時間の削減が見込め、時間あたり人件費が2,500円なら、年間の削減効果は 20時間 × 12ヶ月 × 2,500円 = 60万円 です。初期費用30万円、年間利用料24万円なら、(30万円 + 24万円)÷ 60万円 = 約0.9年 で回収できる計算になります。

削減時間が読めないなら、まだ導入の段階ではありません。手順1の棚卸しに戻ります。

グループのバックオフィス支援という選択肢

院内の情報共有や事務手続きをまとめて整理したい場合、専用のサービスを使う方法もあります。

当社Central Medienceのグループでは、医療機関向けの職員ポータル・バックオフィス支援としてラクパス for Hospitalを提供しています。院内の連絡・各種申請・情報共有といった、紙と口頭に頼りがちな業務を一箇所に集めるサービスです。

なお、システム導入は「先に払って、あとから効いてくる」構造です。資金繰りが厳しい時期にはためらう理由になります。診療報酬債権の買取で先に資金を確保しておけば、導入の判断を先延ばしにせずに済みます。借入ではなく債権の売買のため、銀行の借入枠を使わずに初期費用をまかなえます(審査はあります)。システム導入は初期費用だけでなく、月額利用料・保守料・移行作業の人件費が続きます。見積りを取るときは初期費用と5年間の総額を並べて比べ、資金を用意する月数を決めてください。条件はご利用条件・手数料をご覧ください。

参考事例

※想定事例です。実在の医療機関の事例ではありません。

L皮膚科・アレルギー科クリニック(想定)の背景
常勤医2名、看護師4名、事務4名。月の保険請求額は約1,100万円。事務職員の残業が月平均25時間あり、レセプト提出前の1週間に集中していました。返戻も毎月一定数発生していました。

やったこと

  • 2週間の作業記録から、レセプト点検と紙の勤怠集計に時間が偏っていることを特定。
  • 返戻の理由を集計し、上位3つに絞って記載ルールを整備。医師にも共有。
  • 勤怠と院内の申請を電子化し、紙の回覧を廃止。
  • 導入費用と当面の運転資金として、当社の買取で1ヶ月分を利用。

数字(目安)

  • 削減できた事務時間: 月およそ22時間
  • 年間の削減効果: 22時間 × 12ヶ月 × 2,500円 = 66万円
  • 導入費用(初期+年間利用料): 45万円 → 回収期間は 45万円 ÷ 66万円 = 約0.7年
  • 承認率が1ポイント改善した場合の増収: 1,100万円 × 1% = 11万円/月
  • 買取(月1,100万円の1ヶ月分、掛け目90%として): 1,100万円 × 90% = 990万円を先に受け取り、手数料は仮に3%として 33万円

結果
残業が減り、レセプト提出前の負担が平準化しました。返戻が減ったことで、入金の見込みも立てやすくなっています。実際の手数料・条件は審査により個別に決まります。

※ 上記は理解を助けるためのモデルケース(想定事例)であり、実在の医療機関の事例ではありません。掛け目・手数料・日数は目安で、実際は審査により個別に決定します。

まとめ

  • 医療DXは全面的な入れ替えではなく、時間のかかっている業務をひとつずつ置き換えることから始めます。
  • まず2週間の作業記録で棚卸しをし、時間の長い順に着手先を決めます。
  • レセプト業務の改善は、コスト削減であると同時に収入の改善でもあります。返戻理由の記録と承認率の推移を毎月見ましょう。
  • 導入前に回収期間を計算します。削減時間が読めないうちは、まだ導入の段階ではありません。

事務負担の軽減と資金繰りをあわせて相談したい方は、お問い合わせからご連絡ください。資金の手当てと支出の見直しを段階的に進める考え方は経営改善までのロードマップにまとめています。

よくある質問

Q. 職員がシステムに慣れてくれるか不安です。
一度に複数を導入せず、ひとつずつ定着させるのが近道です。導入時は「紙をやめる日」を決め、移行期間中は両方を動かさないようにすると混乱が減ります。操作に不安のある職員には、担当者を決めて支援する体制をつくってください。

Q. レセプト業務は外部委託と院内対応のどちらがよいですか?
一律の正解はありません。請求件数、職員体制、返戻の状況によって変わります。まず手順1の棚卸しで所要時間を数字にし、委託費用と比較して判断してください。

Q. システム導入の費用に、診療報酬債権の買取は使えますか?
資金の使いみちに特段の制限はありません。設備投資、システム導入、採用、賞与、納税などにご利用いただけます。必要な月数と金額の目安はシミュレーターで確認できます。

診療報酬債権の買取について、無料でご相談いただけます

手数料3%〜・掛け目90%程度・最短3営業日。いくら、いつ受け取れるかを具体的にお見積りします(審査あり)。

無料相談・お見積りシミュレーターお電話(平日 10:00-18:00)03-5544-9120サービス資料(PDF)
Central Medience Payments 編集部株式会社Central Medience(医療経営支援グループ)のファイナンス事業部が、医療機関の資金繰り・診療報酬債権の実務について解説しています。記事内容は公開時点の一般的な情報であり、個別の税務・法務判断は専門家にご確認ください。
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